山本博文の北ルソン・コーヒー探訪記⑧

豆にもクラスがあります

 1月は大学の中間テストでした。中間テスト、とっても懐かしくないですか。この歳になって、中間テストを受けるとは思っても見ませんでした。結果は…まだ出ていません。大丈夫かな。

 ここ1ヶ月、いろいろなことがありました。農家さんへセミナーを行い、コーヒーの輸出規格を提出して、コーヒーの欠点豆の資料を作り、コーヒー栽培においてこの国でよく見かけられるコーヒーの病気について調べ、それの処置方法をまとめました。また他国の輸出規格を翻訳して提出したりもしました。いやー大変です。結構忙しかった。

 

  今回は輸出規格についてちょっとだけ紹介します。

 輸出規格というのは、コーヒーを販売するときに基準となるグレードのことです。ブラジルならば、「ブラジル・サントス・NO2・17/18」とか「ブラジル・サントス・NO4/5・16up」とかいう感じです。生産国名/港/欠点豆の数に対するグレード/コーヒー豆のサイズとそれぞれに意味があります。実はもうちょっと細かい分類があるのですが、ややこしくなるので省きますね。また、ケニアの豆の場合は、F.A.Q/AAとかF.A.Q/ABとかあります。コーヒーの香味に対する品質とサイズに対するクラス分けです。グァテマラの場合は、標高差で分類します。コロンビアの場合は、サイズと生産地。最近は、トレーサビリティという言葉がコーヒーの生産に置いても重要な意味を持つようになってきました。つまり、どういった人が作っているのか?ということが購入した輸入会社のみならず、最終的に消費する一般の方々にも分かる事が大切だということです。例えば、ブラジルの場合、ただ単にブラジル産という事だけでなく、どこの地域でとられたものなのか、そしてどこの農園のものなのか、コーヒーの品種はどういった品種が使用されているのか、そして、精選方法はどういった方法でおこなわれたのか等々。さらにいえば、収穫された週は収穫期に入って何週目かなんて限定しちゃう事もあります。まぁ消費者としては、顔の見える生産者だとやはり安心感がありますからね、そちらの方を購入なさる方が最近は増えてきています。だから、あなたもたまには自家焙煎の豆屋さんへ行って「この豆はどういった品種ですか?」とか聞いてみてはいかがでしょう。なんか通になった気分ですよ。ふふふ。

 まぁ、ボクとしては、おいしく飲める、ということが一番だと思うので、どんな豆でもいいんですけどね。気軽に楽しめる。というのが大事なんじゃないかなぁと思ってます。 

 

 

 フィリピンにも一応、輸出規格があるにはあるのですが、十分に適応できるものではなく、定義も曖昧です。それをもっと分かりやすく、実行可能な規格に変更する事が必要だなと感じましたので、今回新しい輸出規格を作成しました。CGNさんの購入したニュークロップで実際に試してみましたら、十分に対応できる輸出規格となりましたので、まぁ再応は問題ないかなと思っています。あとは、実際にこの国のエラい方々が、それを採用するかどうか。まだわかりません。うまくいけばいいなぁ。

 

 この国の豆が少しずつでも良くなればいいですよね。そして、その前進が、日本の方々にもコーヒーを飲んで、感じていただけるぐらいの進歩というか善進があれば何よりです。アラビカ種のフィリピンコーヒーが飲めるところは日本では、まだまだ限られていますが、きっとあたなのお家の近くにあるはずです、現代の英知、インターネットで検索してみては?

 

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コメント: 1
  • #1

    高村 富 (金曜日, 03 4月 2015 17:29)

    素晴らしい!楽しみです!